2021/8/4付で基準価格が9,000円まで下落し強制償還が決定しました。
詳細はアムンディのサイトをご参照。
苦境が続くアムンディあんしんスイッチ
損失限定型投信のあんしんスイッチ
フランス銀大手のクレディアグリコル(CA)とソシエテジェネラル傘下のアムンディ・ジャパンが運営する損失限定型投信がSMBC・アムンディプロテクト&スイッチファンド(通称 あんしんスイッチ)。
詳細はこちら。
最新レポートは12/9付け。
SMBCと冠するだけに三井住友銀行、SMBC日興証券向けの投信。
なお野村証券でも取り扱っています。


メガバンクや対面型大手証券向けということもあり、損失を限定しながら値上がり益も享受するといういかにも高齢者や投資初心者が好みそうな投信。

何があっても当初設定の90%は維持する商品
尤も銀行・大手証券が店頭で取り扱うだけに費用も滅法高く、信託報酬は税込年率1.243%(現在は暫定的に0.975%)。
更に保証料として年率0.22%が加わり合計1.463%(現在は暫定的に1.195%)。

何が起きようとも前記90%を維持するための保証料
CAが潰れたら意味ないけどね
相場の戻りを全く享受できなかったあんしんスイッチ
この投信は投資環境リスクが高まるとリスク量を落とす設計のため、コロナショックで内外株式市場が暴落する中で急速にリスク量を減少させました。
結果として3/30には短期円資産の比率が95%まで上昇し残りは債券。
もちろん株式組み入れ比率はゼロ。
しかしながら内外株式相場は3月半ば過ぎから急速に戻したため戻りを全く享受できず。

基準価格の下落率が株式市場より小さく済んだのは素晴らしい!
戻りには完全に置いていかれたけど…
強制償還となる基準価格は9,000円。
3月末に9,100円台半ばまで一気に急落した基準価格はその後もじりじりと下がり続けて12/10現在9,082円。
現在でも資産の約85%をマイナス金利の短期円資産が占め、15%程を占める債券のリターンも極僅かで大きな収益は望むべくも無し。
しかも臨時で引き下げられたとはいえ年率1.195%+αの費用が発生し、ボディーブローのように効いてくる…
今のままでは1年を待たずにトリガーの9,000円まで下落し強制償還の可能性も…
株式ポジションがショートに
気になっていたので時々チェックしていたのですが、驚いたのは11/17の運用レポート。
短期円資産85.62%、債券16.34%で100%を超えていると思ったら、なんと株式比率が▲1.96%。
オプションや先物を利用して株式セクターのショートポジションを作成したようです。
このレポートの作成基準日は11/11。
11月は記録的な相場上昇となった月です。
株式相場の上昇に乗り遅れただけでなく損失まで計上した可能性も…
上手くヘッジして乗り切っているといいけど…

踏んだり蹴ったりだ…
アムンディが想定するシナリオでは、
①世界景気が回復するまで数年かかる
②それに基づき投資対象は短期円資産をメインに現状国債か高格付け債券などの低リスクモノが中心
です。
低リスク債券ではリターンは極僅か。
資産構成比率も10%台で残りはマイナス金利の短期円資産。
これではメインシナリオ通り世界景気が回復基調を辿り株式などの高リスク資産を組み入れる前に、基準価格が9,000円の強制償還価格まで下落してしまう…
それも1年以内に達する可能性も…

時間的余裕はほぼないよ
景気が悪くても現在は流動性相場と期待で株価は堅調…
いつ崩れるかはわからないけど…
なお12/10現在であんしんスイッチの純資産額は828億円。
販社の前記3社には黙っていても年間約5億円の信託報酬が転がり込む計算。
私ならどうするか?
①株式相場が堅調推移すると想定するなら、解約して株式投信などを購入。
②株式相場が調整すると想定するなら、解約して微々たる額でも利息を得られる銀行預金や個人向け国債などに移す。
黙っていても目減りしていくあんしんスイッチを保有し続ける理由は乏しく感じます…
強制償還になったらアムンディだけでなく販社や信託銀行に全くお金が落ちなくなるので、出来るだけ長く引っ張りたいだろうけど…

大人の事情…
2月半ば過ぎから内外株価が暴落する中、基準価格の下落率を相対的に小さく収めたのはお見事。
しかし相場の底で投げ切り、その後もトリガー価格が接近していたために再度株式比率を引き上げられなかったのは残念…

それも相場だけど…
関係者の方々すみません…