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銀行で投信販売が始まったのは僅か20年ほど前のこと~現在は重要収益源

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今では銀行で投信を買えるのは当たり前だけど歴史は浅い

皆さん、投信を買う際はどこで買いますか?
一般的なのは証券会社でしょう。
若い人はネット証券、年配の方は対面式証券が多い傾向?

僕は全てネット証券です

他にはゆうちょを含めた銀行も(銀行窓販)。
殆どの人は銀行口座を保有しているでしょうし、銀行側からすれば預金という情報をもっているだけにセールスもやりやすい。

退職金や保険金などの大口入金があった際、すかさずセールス電話を受け取った経験のある人も多いと思います。
迂闊に支店に出向けば手ぐすね引いて待っていますよ…

銀行員は出勤した際にまず大口入出金をチェックするしね
退職金の場合は事前に把握していることも多いよ

ネット証券を中心にネット経由で投信を購入した際は販売手数料が無料になるケースが多いでしょう。
しかし証券会社や銀行の窓口で購入すると販売手数料を取られるのが普通。
高いものでは購入額の3%もの手数料を取られます…
1,000万円分購入すると何と30万円。
更には消費税まで…

リスク説明などに税込33万円もの価値があるかな?

しかしこの銀行窓販は僅か20年ほどの歴史しかありません。
始まったのは1998年12月。
三洋証券や山一証券・北海道拓殖銀行などが破たんした僅か1年後、日本長期信用銀行(長銀)が破たんした直後のこと。

今では銀行にとって重要な収益源の投信販売手数料

投信販売手数料収入に群がる銀行

銀行が投信販売に躍起になるのは、前記の通り分厚い手数料収入を得られるため。
銀行窓販開始当初は収入源の多角化のために投信販売を始めました。

時は平成の金融危機が勃発していた時期。
少しでも不良債権処理費用を捻出しようとしていました。
とはいえ当時はまだ現在と違い金利がプラス圏に存在し、今とは比較にならないほどの厚い利ザヤを貸し出しで得られた時代。

海外の銀行よりはずっと薄い利ザヤだけどね

金融危機が去った後も貴重な収益源として銀行は投信窓販に力を入れてきましたが、2010年代に入り決定的なことが起こります。
日銀による一連の異次元金融緩和です。
マイナス金利まで導入され、融資はコストを考慮すれば全く儲からなくなりました。
総資金利ザヤがマイナスに突入する銀行まで現れます。

メガバンクと違い地域金融機関は特に厳しいよね

銀行と言えばストック型ビジネスモデルの典型。
融資を実行すれば、完済されるまでひたすら金利を得られるため。

しかし融資が儲からなくなったので証券会社のようにフロー型ビジネスモデルに転換せざるを得なくなってきています。
その最たる収入源が投信販売手数料や保険販売手数料というわけ。

手っ取り早い収入だよね

日本で最初の民間銀行である第一国立銀行が設立されたのは1873年(明治6年)。
それから130年近くが経過しますが、直近僅か20年余り(特にここ数年)で銀行の収益構造は大幅に変わりつつあります…
SBIグループによる地銀への相次ぐ資本参加が話題になっていますが、このまま日銀による異次元金融緩和が継続すれば次から次へと地域金融機関が破たんする事態も…

地方がますます衰退する…

私は投信窓販の経験が無い

私は元銀行員。
とはいえ銀行員時代に投信や保険を売ったことはありません。
銀行窓販が解禁された際は既に支店ではなくマーケット部門に在籍していたので。

それでもいつ支店や営業部などに転勤してもいいように販売資格を取らされました。
証券外務員資格です。

投信や株式などのリスク性商品を販売するには必須の資格

当初は銀行員用の「特別会員証券外務員資格」の2種・1種・内部管理責任者。
その後、証券会社と同様の正会員用証券外務員資格の2種・1種・内部管理責任者。
更には生保や損保の販売資格まで…

これらの資格はFPや証券アナリスト・中小企業診断士などと違い、保有していなければ支店などの現場で仕事にならないので強制でした…