三井住友銀行で最短30歳から管理職
銀行の行内資格と対外呼称
サラリーマンにとって、非組合員である管理職になるのはひとつの目標でしょう。
最近は忙しくなるのを嫌い管理職に就くのを拒否する人もいるようですが…
管理職(経営職)はメガバンクの支店でいえば支店長・副支店長・次長。
本部でいえば部長や次長・参事役など。
メガバンクでは行内資格(基幹職・上級職など)により、就ける役職(課長・調査役・部長代理・次長・支店長・部長など)が決まります。
一般的な企業で課長と言えば非組合員の管理職になりますが、メガバンクの課長(調査役)は組合員。
銀行内で出世するのは大変
銀行の出世競争はそれはそれは熾烈。
以前ほどではないにしろ、そもそも上位大学の卒業者が多く集まるうえ徹底的に競争させられます。
以前は超一流大学卒の内で更に超優秀な極一部の人材はバツの付きにくい支店⇒バツの付きにくい職場を転々として同期トップを突っ走るルートがありました。
しかしそういう「パッと見で優秀な人材」では現在のような難しい局面を打破するのは難しいと気付き、以前よりも実力主義的になっているようです…
来年から三井住友銀行では最短30歳で管理職になれる
昨日面白い記事が日経新聞に掲載されました。
三井住友銀、最短30歳で管理職に
です。
通常メガバンクでは最短7~8年目で課長代理・調査役などの役が付き、そこから最短7~8年で支店の次長や本部の参事役といった管理職に就くのがトップ。
とはいえトップで役が付くのは同期の内で3割未満、トップで管理職に就くのは1割未満…
選から漏れれば今度は優秀な後輩たちとの競争にさらされます…

超熾烈…
記事によると三井住友銀行ではこれまでも最短10年で管理職になれる制度があったとのことですが、ホントに例外的な制度でしょう。
みずほでも30代前半で支店長に抜擢されている記事を見かけたことがありますが、話題優先の人事だと考えられます。
銀行の取引先の中でも特に中小企業の経営者は、酸いも甘いもかぎ分ける人生の大先輩たち。
そうした人たちを相手にする支店長は、あまりにも若いと信用されにくいという側面もあります。
新制度は銀行のイメージアップ作戦か?
大多数の行員には関係のない制度
三井住友銀行の新制度は2020年1月から実施のようです。
尤もこの制度に則り30歳で管理職になるのは年間でほんの数人、且つこれまでの制度でも最速で管理職になっているような極一部の人に限られるでしょう。
全員とは言わなくても、全体の3割の人が30歳で管理職になっては組織が持ちません。
40歳手前で最速で管理職に就く1割ほどの層の内、特に優秀な極一部の人のみが30歳で管理職に就くのでしょう。
銀行の対外イメージをアップさせる制度にしか見えず…
そういえばみずほでは超エリート層を早めに出向させてマネジメントを学ばせる制度を導入済み。

銀行は就活生にとって魅力が乏しい?
就活生にとって銀行は、
①最初の数年は雑用ばかり
②年功序列
③好きな仕事ができない
④衰退産業
⑤自分を成長させにくい
職業の様です。

散々な言われよう…
一部IT企業などではプログラミング能力があれば最初から即戦力として活躍する、あるいは急速にスキルを高めることも可能でしょう。
一方で中小をはじめとした法人・個人営業などに必要な対人交渉力などは、新卒もしくは入行後1年で全て習得できるような類のものではありません。
特に中小企業や個人を相手にする際は人間性という資質も重要になるので。
商品知識や企業・業界分析能力は当然として論理的思考や合理的な考え方なども必要です。
しかし必ずしも正論だけで成功するわけでもなし…
銀行で必要となる能力・スキルには、一見すると無駄に見えたり習得に時間の必要なものも多い気がします。
人間性を高めるなど一朝一夕では無理ですし…

状況に合わせた駆け引きの能力はAIが苦手な分野だよね
なお銀行はトップ層にとっては年功序列的ですが、それ以外の層は優秀な後輩にあっという間に抜かれていく超競争社会です…