野村アセットがDC向け一部投信の信託報酬引き下げ発表
14本の信託報酬引き下げも実質的には7本
昨日2/6の日経新聞朝刊に、野村アセットが運用するDC(確定拠出年金)向け一部投信の信託報酬引き下げの記事が掲載されました。
但し具体的な商品名の記載は無し。
すぐに野村アセットのHPを探しましたがニュースリリースには何も無し…
すっかり忘れていたら午後にニュースリリースが出ていました。
野村アセットが掲載したニュースリリースはこちら。
信託報酬を引き下げるのは内外株式・債券の各2本ずつで計8本にバランスが6本。
合計で14本ですが特定金融機関向け商品が含まれています。
SBI証券向けやろうきん向け、イオン銀行向けなど。
ということで、実態は内外株式・債券とバランスで7本といえます。
SBI証券オリジナルプラン向けにも含まれる外国債券投信
その中で私に関係するのは、外国債券投信の「野村外国債券インデックスファンド(確定拠出年金向け)」。
法改正に伴いSBI証券iDeCoで半分近くの商品が除外される中、まさかの残留を決めた商品。
除外される三井住友アセットの商品から商品性の同じ本商品に乗り換えたためです。


税抜0.21%⇒税抜0.14%と2/3に引き下げ。
7月からといわずもっと早く引き下げてくれるとありがたい。
本件引き下げにより、業界最低水準を目指すと宣言しているeMAXIS Slimシリーズよりも外国株式インデックス投信を除いて信託報酬水準が低くなります。
しかし三菱UFJ投信による追随発表は無し…
DC専用だからか…
商品毎の比較表などは、しんたろうさんのしんたろうのお金の話に分かりやすく掲載されています。
ニッセイアセットもお願いだから引き下げて!
SBI証券オリジナルプランのニッセイの投信は信託報酬が高い
私が加入しているiDeCoはSBI証券のオリジナルプラン。
セレクトプランの方が低信託報酬型投信のラインナップが充実しているものの、プラン変更に伴う運用の空白期間発生が嫌なので敢えて変更していません。

そのオリジナルプランで採用されている外国株式インデックス投信は、ニッセイアセットの「ニッセイDC外国株式インデックス」。
信託報酬水準は税抜0.189%。
一方でセレクトプランに採用されている「eMaxis Slim」は税抜0.109%。
同じく「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」も税抜0.109%。
ニッセイの2商品は同じMSCIコクサイ(除く日本)というベンチマークを採用し、同じニッセイアセットという運用会社の商品なのに信託報酬水準には大きな差がある…
もちろんニッセイアセットの両投信は、ニッセイ外国株式インデックスマザーファンドという同じマザーファンドに投資する商品。
図にすると下記のようになります。
お願いだからオリジナルプラン採用商品も引き下げて!
同じマザーファンドを通じて投資しているので、運用成績の差は各ベビーファンドが負担する信託報酬と監査費用などのその他に負担する費用の差。

ちなみにそれぞれの投信の直近の純資産残高はニッセイDC外国株式が197億円、<購入・換金手数料なし>が1,094億円。
後者はDC専用ではないので純資産残高も巨大。
その他費用は純資産残高の大きさに反比例して低下します。
直近1/17に公表された運用報告書によると、信託報酬以外の費用はニッセイDC外国株式が0.002%高い。
信託報酬を加えた総費用はニッセイDC外国株式が0.027%高い。
しかも<購入・換金手数料なし>は昨年8月に信託報酬を引き下げており、本決算には5か月分程しか反映されておらず。
フルに反映される2019年11月20日決算では差が更に拡大するのが確実…
ニッセイDC外国株式インデックスは、既にSBI証券のiDeCoオリジナルプランに採用されているので一種の既得権益。
しかも採用本数が35本に縛られる中では新たな低信託報酬型投信が入り込む余地も無し。
競争が働かない環境です。
とはいえそれでも引き下げてほしい。
日本をリードするガリバー日生グループなのだから。
本来は運営管理機関であるSBI証券が主導し、加入者利益のため引き下げを働きかけるべきなのでしょう。
運営管理機関は加入者に対する善管注意義務もありますし。
しかしセレクトプランを作ったことで、「安い方がいいならセレクトプランに変更すれば?」と軽くあしらわれそうです…