前回はiDeCoのメリットでした。
今回はデメリット。
流石にいいことだけではありません…
年金についての投稿一覧は「年金を知り将来に備える」をご覧ください。

iDeCo加入のデメリットを確認
①受取時まで資産を引き出しできない。
②60歳から受け取れないケースがある。
③受け取り時に税金負担が大きくなる可能性がある。
④運用で損をしていても課税される可能性がある。
⑤特別法人税復活の可能性は残る。
など。
資産引き出しと受給開始年齢の制限
受取時まで資産の引き出し不可
要するに「iDeCoやーめた」ということが不可能。
それまでに拠出したお金は受け取り年齢に達するまで引き出せません。
そのため、教育費や住宅ローンなどでどうしてもお金が必要でも自分のお金なのに引き出せないのです。
拠出を中断した場合もカストディー銀行への月額64円の手数料は必ずかかり、運用資産から控除されます。
運営管理機関(窓口)の証券会社・銀行によっては、拠出中断中は追加で手数料が必要なケースもあります。
なお拠出年齢を60歳まで⇒65歳までに延長する法改正が可決されました。

60歳に到達しても受給できないケースがある
iDeCoの資産を60歳で受け取るには10年以上の加入期間が必要。
加入期間が2年未満の場合は65歳で、2年~10年までの場合は加入期間により受取年齢が決まります。
そのため加入時期が遅いと60歳でリタイアしても、その時点では受け取れないことに。
税制のデメリット
iDeCoというと強力な税制優遇が第一の魅力ですが、制度設計によりその税制が逆に足かせになる場合があるのです。
資産受取時に逆に税負担が大きくなる場合がある
受け取り方法には一時金方式・年金方式・併用方式があり、加入している証券会社・銀行等(プラン)により異なります。
通常は一時金方式と年金方式の選択制ですが、併用可能なプラン(野村證券)もあります。
私が加入しているSBI証券のプランでは一時金か年金を選択。
⇒2020年3月から併給が可能になります。

一時金受け取りの場合、税金は退職所得扱い。
但し会社から受け取る退職一時金があったり、小規模企業共済などの一時金受け取りがあると合算されるので注意が必要です。
合算して退職所得控除を超えれば当然ながら課税。
計算方法等は、前回のiDeCoのメリットの投稿をご覧ください。

年金として受け取る際も、厚生年金や私的企業年金・国民年金基金などと合算されるので額が多い場合は注意が必要。
予め自分がどのくらいの退職金や年金を貰いそうなのか試算・イメージしないと、受け取る段になってそれまでに受けた税制優遇よりも負担が大きくなる可能性もあります。
要注意です。
運用で損を出しても課税されるケース
通常、投資では儲けに対し課税され損すれば課税されません。
しかしiDeCoでは儲けたか損したかは関係なく受取額に対し課税されます。
例えば1,000万円拠出し運用で損して受け取りが900万円に。
20年間拠出し退職所得控除が800万円分あっても差引100万円が課税対象に。
実際はその100万円×1/2×税率の税金支払い義務が発生。
損して課税されたら踏んだり蹴ったり…
おそらくは拠出時・運用時に得た節税分でカバーできていると思われますが…
特別法人税復活の可能性
前回iDeCoのメリットの投稿でも触れた通り、現在課税は停止されているものの制度自体は残っているのが運用資産に対する特別法人税(税率1.173%)。
制度を一旦廃止⇒再度復活させるのは大変なので、財務省は課税を停止しているものの廃止はせず。
0.01%単位で信託報酬の差を争っている中で課税が復活すれば、例え低税率になったとしてもiDeCoの魅力は大きく損なわれます。
復活は無いと信じたいものの、例えば拠出限度額引き上げや受取時の退職所得控除枠引上げなどとセットで復活させる手も…
目下のところの最大の懸念…