米フィデリティが信託報酬0%のゼロコストインデックス投信を発売も日本では買えず

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米フィデリティがゼロコスト投信を発売

ここ数年、インデックスファンドの信託報酬水準の低下が目立っています。
私が保有する主力投信のeMAXIS Slim先進国株式インデックスの信託報酬は税込0.11772%です。

米フィデリティのゼロコスト投信

そうした中、米フィデリティが究極の低コスト投信を発売しました。
信託報酬が0%のゼロコスト投信です。

8/17付日経新聞朝刊金融経済面に、

投信の手数料競争 過熱
米フィデリティ「ゼロ」型発表

と題し、ゼロコスト投信の誕生を紹介しています。

銘柄は、
フィデリティ ZERO トータルマーケット・インデックスファンド(FZROX)
フィデリティ ZERO インターナショナル・インデックスファンド(FZILX)

前者は米国株式全体、後者が米国以外の株式全体をカバーしています。
ティッカーで検索すれば基準価格を確認できます。

ゼロコストの中身

投信を購入・保有・売却する際に必要なコストはそれぞれ、
購入(販売)手数料
信託報酬・その他手数料
信託財産留保額
です(市場で売買するETFは除く)。

は対面式で説明を受け購入する時に必要なことが多い一方、ネット証券ではほぼ不要。
は新興国の資産を対象にした投信に多く課され、売却額の0.3%程度が多いようです。

そしてです。
信託報酬は目論見書にも記載されています。
通常、投信の保有コストというとこの信託報酬を指します。
今回のフィデリティのゼロコスト投信はこの信託報酬がゼロになります。
なお、信託報酬はフィデリティなどの運用会社(委託会社)取り分、証券・銀行などの販売会社取り分、信託銀行などの受託会社取り分に分かれます。

しかし、にはその他手数料もあり目論見書には記載されず、確認するためには運用報告書を見るしかありません。
そして、この中にはリバランスなどに伴う売買手数料や監査費用、税金などが含まれます。
なお、今回のフィデリティのファンドはその他手数料も無料の様です。

ちなみに、低コスト投信のeMAXIS Slim先進国株式インデックスの直近その他手数料は0.092%でした。

投信保有にはコストがかかる 少額でも多くの銘柄に金額指定で分散投資でき、且つ商品によっては著名なファンドマネージャーが運用するファンドに投資できるなど、投資信託(以下、投信)には多くの利点があり...

ゼロコスト投信を生み出す仕組み

フィデリティが信託報酬ゼロを生み出す仕組みは大きく分けて二つ

ベンチマーク利用料を削減

インデックスファンドを運用する際は、MSCIやFTSEなど指数を開発・管理する企業に対して残高の一定割合を支払う必要があります。
そのコストは年率0.03~0.10%程度と言われており、0.01%レベルのコスト削減を競うインデックスファンドにとっては大きな負担。

そこで、フィデリティはベンチマークを自社開発してしまいました。
結果、ベンチマーク利用料はゼロとなり大きなコストカットが可能に。

売買手数料などで稼ぎグループとして収益化

確かに信託報酬はゼロですが、前記の通り売買手数料や監査費用などその他手数料は別途必要です。
どうも、このその他手数料も無料の様です。
マジか…

恐らく、ゼロコスト投信の売買執行をフィデリティグループ内の証券会社で受託するのではないでしょうか?
そうすれば、運用会社のフィデリティは無報酬でもフィデリティグループとしては儲けを得られます。
また、この商品を客寄せにしてもっと収益性の高い商品への誘導も可能。

ゼロコスト投信は受け入れられるか

このゼロコスト投信が投資家に受け入れられるかは、ベンチマークの信頼性ですね。

ベンチマークの信頼性

MSCIやFTSEが開発したベンチマークは既に多くの投信で採用されています。
そのためベンチマークへの信頼性があると同時に、トラッキングエラーの検証などファンドの運営能力の把握も容易。

一方、ゼロコスト投信のベンチマークはあくまでフィデリティ独自であり、信頼性はまだありません。
また、トラッキングエラーの測定なども手間でしょう。

現状は追随の動きなし

現状、米国の大手運用会社でゼロコスト投信に追随する動きは見られませんので、他陣営はお手並み拝見中でしょう。
なお、このゼロコスト投信は日本の投資家が購入することはできません。
フィデリティの日本法人であるフィデリティ証券株式会社でも扱っていません。

しかし、年率0.10%のコストなら10年でも1.00%。
年率0.20%でも10年で2.00%。
株式相場の日々の値動きが一日で数%程度はある中、既に誤差のような気がしてきました…
引き下げてくれるのに越したことは無いですけど…

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