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銀行員の出向は片道切符ではなくなる?一部幹部だけですね恐らく

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銀行員が銀行本体に勤務できる期間は驚くほど短い

大手企業の本社社員は年齢を重ねるとポスト数の関係から子会社群に出向・転籍することが多くなります。
銀行も同様。

しかし大きく違うことがあります。
それは次の2点。
出向・転籍時年齢が若い
一旦出向すると本体に戻ることはまずない
です。

出向・転籍時年齢が若い

銀行員は非組合員である管理職(幹部)、組合員(課長・調査役以下)で出向時年齢が違います。
非組合員は以前から50代になる頃には出向が始まっていました。
1~2年で転籍し給与水準も下がります。
組合員はそれよりも数年だけ遅いものの、それでも55歳までには銀行本体を離れます。

出向先は子会社のローン保証会社や保険関連・事務アウトソーシング会社などが多いものの、取引先企業になる場合もあります。
最近はバブル世代がこの年代に達しつつあることもあり、子会社群だけでは到底賄いきれません。

昨年来、特にみずほでは総合職社員をより多く若い段階で出向・転籍させる方針を示しています。
人減らしの人員的リストラですね。

みずほFGは儲けの源泉である総合職を3割減らす~銀行も大リストラ時代
みずほFGは今後10年でパートを含めた全従業員の24%程度を削減する計画。しかし、総合職はその割合を上回る3割が削減対象。付加価値を生む総合職を減らすということは、いよいよ銀行員大受難時代が到来する。

以前は50歳に近づくと「そろそろ出向か」と身構えていたのに、今後は40代になればいつ出向になるかわかりません…

一旦出向すると本体に戻ることはまずない

数年前にドラマ半沢直樹をご覧になった方も多いと思います。
その中で登場人物たちが極端に恐れたのが出向。
枕詞的に片道切符と言っていました。

そうです。
銀行から子会社群や取引先企業に出向すると、それは即ち出世競争から外れ二度と本体に戻ることがないことを意味していたのです。
最近は持ち株会社の下に証券や信託・資産運用会社がぶら下がります。
そのため銀行本体と密接に関連するこういった会社への出向・転籍ならば問題ないものの、それ以外の場合は片道切符となります。

といっても同期から役員になるのは数百人の内で数人ですから、殆どの人は最終的に出向・転籍。
どういった出向先・ポスト・処遇になるかは、出向直前のポジションによって決まりますが…

7/16からスタートするテレ東のドラマ「ラストチャンス」でも、出向になった部長さんや主人公が相当に落胆する様です。

出向が片道切符にならない?⇒例外的でしょう

キャリアアップにつながる出向

銀行中枢でのキャリア終焉を意味してきた出向ですが、人材育成とスキルアップにつなげる新しいタイプの出向も登場しているようです。
7/12付日経新聞朝刊金融経済面に、

みずほ、関連会社をマネジメント
銀行から出向
出世コースに
40代の幹部候補を発掘

と題し、選抜済幹部候補の内で数人を子会社の役員に送り込み、マネジメント力を鍛える・試す動きを始めたと報じています。

商社やリクルート・グローバル企業などで広く行われている手法で、規模は小さくとも実際に企業経営を経験させ、将来的なグループ内のトップマネジメント層を育成します。
前向きな出向ですね。

キャリアップにつながる出向かどうかは、最初から明らか

尤も前向きの出向かどうかは出向時に既に分かっています。
そもそも対象者は選抜済みの幹部候補。
且つ子会社群の経営者として送り込まれます。

経営権のない平の取締役を含めた下位層で出向するわけではありません。
結局はごく一部を除き以前と変わりありません。

就職時に厳しい競争を勝ち抜いても、入社した後も構造的不況業種になりつつある銀行で更に厳しい競争を強いられるとは、銀行員とは何とも過酷な職業です。