有吉ゼミ家を買うで登場した物件一覧はこちら

個人の半数が投信で損失との報道も、実は集計対象が銀行のみの金融庁忖度記事?

mutualfund

投信はコストがかかるがメリットも大きい

銘柄選択を運用のプロに任せて分散投資を可能にするのが投資信託(以下、投信)。
投信のメリットは、
運用に関する知識に乏しくてもプロが運用してくれる
投資金額が少額でも分散投資が可能
個別株は対象外のつみたてNISAを使える(金融庁承認銘柄)
といったところ。

一方でデメリットはコストがかかること。
保有している期間中は必ず信託報酬。
そして目論見書には記載されず隠れコストとも言われる監査費用や売買手数料・税金などのその他費用。
場合によって購入手数料や信託財産留保額なども。

投資信託はその他費用にも注目~投信保有コストは信託報酬だけで判断しない
投信保有に際し負担するコストは信託報酬だけではない。実際は投信が売買する手数料や税金・監査費用なども負担する。目論見書や申込メモに数値は記載されないので、過去の運用報告書を参考にして推計するしかない。

とはいえ最近はインデックスファンドを中心に低信託報酬型投信が増えていることやつみたてNISAが始まったことで、トータルで見れば低コストで投信を通じた投資が可能になってきています。

個人の半数が投信で損失との記事

回転売買と毎月分配型投信を問題視

そうした中、7/5付日経新聞朝刊金融経済面に

投信で損失 個人の半数
過度な分配金や短期の売買あだ
金融庁「成績比べる指標を」

と題し、投信保有者の半分近くが損失を抱えているとの記事が掲載されました。

現在保有している投信の含み損益にその投信でこれまで受け取った分配金や購入手数料を加減し、トータルでどれだけの実質含み損益を抱えているかを数字で示しています。
記事によれば、ここ数年相場が堅調な中で実質的に儲かっている人が半数、残りは実質的に損をしているとのこと。

そしてその原因を
金融機関が販売手数料欲しさに回転売買を推奨していることで、手数料負けしている。
現役層の資産形成に向かない毎月分配型投信の存在。
と結論付けています。
保有期間が短いほど損失を抱えているとも。

ぱっと見では、
「個人の半数は損しているんだね」
「投資ってやっぱり難しいね」
「悪いのは金融機関?」
という印象を与えます。

あくまで銀行で投信を購入した現在保有銘柄の損益に過ぎない

但しちょっと違和感があります。
それは集計対象が販売手数料をガッツリと持っていく都銀や地銀29行のみという点。
銀行で投信を購入する顧客の多くが高齢者。

毎月分配型投信を多く販売している銀行の顧客ならば、販売手数料をガッツリと取られて購入間もない投信の実質的評価損益がマイナスに陥りやすいのはある意味当然。
しかし投信を都度少額ずつ売却して取り崩すよりも、気分的に分配金として定期的な収入のように受け取りたいというニーズがあることも事実です。
毎月分配型投信は資産形成期の現役世代には向かないものの、一部高齢者のニーズにはマッチします。

乗り換える前に売却した投信の売却益も反映されていません…

資産形成期の現役世代はほぼ集計対象外

将来的な資産形成を目的として資産形成に適した投信を購入する層の多くは、今回集計対象外のネット証券を使っているのではないでしょうか?
ネット証券では殆どの投信が販売手数料無料ですし、頻繁な売り買いはせず淡々と購入しているはずです。
そうであれば、実質的評価損益はそこそこいいのでは?

こうした点などから、記事のタイトルだけでは全投資家の半数近くが投信への投資で含み損を抱えているという印象を与える一方、よく見ればちょっと強引な記事だよねという気がします。
毎月分配型投信に関しても、要はニーズに合わない層に推奨するのは問題ですが、ニーズがある層には適している場合もあります(手数料は高いですけど)。

金融庁調査に基づく記事なので当然ではあるものの、どうも今回の記事は回転売買と毎月分配型投信を嫌う金融庁を忖度した結果ありきの記事のような…
この夏退任する金融庁長官への花束記事なのか…

購入の仕方で損益の気になる度合いが違う

リスク性資産は積立と相場観による購入の2本立て

ここからは個人的な感覚の記事になります。
私は投信は積立で購入すると共に、配当金・預貯金利息・ポイントなどが入った都度機械的に購入しています。
米株はワンタップバイという証券会社を使い、1回1,000円ずつ複数銘柄を疑似的な積立で購入しています。
日本株は相場が下押しした際などに、相場観を以って購入しています。

ワンタップバイに関しては、スマホ証券ワンタップバイカテゴリーをご覧ください。
手数料の考察や、時間帯により売買単価が有利不利になる投稿なども掲載しています。

積立で購入する分は評価損益があまり気にならない

投信・米株・国内株の内、日本株は楽天証券のリアルタイムスプレッドシート(楽天RSS)を使い、リアルタイムで評価損益をチェック。
相場観を入れて購入しているので、常に値動きと評価損益をチェックしているのです。
売るタイミングも考えて。

しかし投信と米株はほぼチェックしていません。
通常、月末に各金融機関毎・商品カテゴリー毎などで残高チェックをするのでそのタイミングだけ。
iDeCoも同様です。
相場が急変した時は流石にチェックしますけど…
相場観を無視して淡々と購入している分に関しては、殆ど気になりません。

これらの感じ方の違いは自分の相場観による売買は勝った負けたが成績として突きつけられる一方、相場観が入らなければ自分の成績として捉えないからの気がします。
あまり他人事のようにしておくのも良くないのでしょうけど…