歩積両建(ぶづみりょうだて)(融資金の一部で預金強要)が現在でもあるとは

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東日本銀行が業務改善命令を受けた

東日本銀行とは

東日本銀行の前身は茨城県で創業した常磐相互銀行。
本拠地を都内に移転した後、1989年に普通銀行に転換し行名を東日本銀行に変更。
2016年に地銀最大手の横浜銀行(はまぎん)と共に、持ち株会社コンコルディアFGを設立し傘下入り。

不適切融資

その東日本銀行が7/13に業務改善命令を受けました。

コンコルディアFG設立を控え、「業績拡大と経営統合交渉を有利に進めるため、本部が無理な営業方針を現場に押し付けて暴走した結果」のようです。

業績拡大を目指すのは営利企業として当然ですが、実はその裏でマズイことをしていました。
金利以外の違法な手数料を徴収
歩積両建(ぶづみりょうだて)
などです。

に関しては、想像がつきやすいと思います。
今回のケースでは企業が借入金の利子補給を自治体から受ける際、違法な手数料を要求し受け取った。
また、架空登記した先への架空融資も行われるなどまるで小説の様…

一方、分かりにくいのがの歩積両建です。

優越的地位を濫用する歩積両建

歩積両建とは

銀行勤務者は必ず知っている一方、それ以外で知っている方はあまりいないでしょう。
一部財務・経理部門の方くらいでしょうか。

歩積両建とは、金融機関が融資したお金の一部を強制的に定期預金として拘束する行為です。
借主からしたら、折角借りたのに使えない。
余計な利息まで支払わされる。
財務諸表上、借入過多に見える。
などいいことはありません。

一方、貸主側からしたらメリットはあります。
本来必要な金額以上に貸し付けるので、融資額を伸ばせる(金利収入増)。
預金額を伸ばせる。
です。

歩積両建が生まれた背景

そもそも歩積両建が横行したのは数十年前。
規制金利時代です。
世の中が資金不足なので、融資を受けられるかどうかは銀行のさじ加減一つ。
企業は「融資を受けられるなら」と、渋々ながら銀行の要求通り融資金の一部を自由に使えない定期預金にしたのです。

銀行は、拘束した預金の一部を利用して別の企業などに融資することが可能になり、信用創造機能が働きます。
もちろん、金利収入が増えます。

また、当時は資金の銀行間取引が現在ほど活発ではなく、預金量が十分になければ融資額を膨らませることが出来なかったので、預金量イコール銀行の順位(格)になっていました。
そのため、預金量を増やすことが出来る歩積両建が横行しました。

その後も、金融危機下などで融資を受けにくい状況になると、やはり銀行の過度な要求を受け入れざるを得ないことがあったかもしれません…
当然ながら違法行為ですけど…

歩積両建の問題性

しかし、歩積両建には大きな問題があります。
それは、融資を受けたい借主の弱みに付け込み、銀行が優越的地位を濫用して預金するように強制することです。
そのため歩積両建は禁止されています。
厳禁です。

私が銀行員になった時も、銀行が禁止されている行為として最初に学んだコトの一つです。

歩積両建を強要した理由は経営統合のため?

現代はゼロ金利下で借り手優位。
銀行は頭を下げて「借りてくれ」とお願いしています。
それなのに歩積両建を強制するとは、余程業績が悪い又は超零細で銀行が優越的地位を発揮しやすい企業だったのでしょうか?

また、マイナス金利下で預金を受け入れると、場合によっては収益が下振れします。
預金量を伸ばすメリットはほぼありません。
唯一考えられるのは、経営統合を控えて預金量(銀行の規模)を大きく見せたかったことでしょうか。
今となっては前時代的な感覚ですね。

それ以外にメリットは見出しにくいでしょう。

銀行(員)が禁止されている行為は他にもある

歩積両建以外にも、銀行(員)が行うことを禁止されていて銀行員になったら最初に学ぶ行為があります。
その内の一つが浮き貸しです。

銀行員個人が、顧客に対して自ら貸主になる・債務保証をする、借入の仲介をする行為です。
金融機関の信用を落とすことにつながります。

お金を扱う企業だからこそ、銀行(員)には高い法令順守精神が求められます。

経済一般
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