インフレ率30%、政策金利40%でアルゼンチン国民の生活は深刻。日本は無縁?

inflation

アルゼンチンは通貨暴落・高インフレ

通貨危機常連国のアルゼンチン

米国経済が堅調でFEDが政策金利を段階的に引き上げていることで、新興国からの資金流出が継続しています。
私が株式投信を通じて投資している東南アジアの国々の通貨も軟調で、結構評価損益が悪化しています…

こういう状況になると通貨安・信用不安が高まる国の常連が南米のアルゼンチンです。
先月にはIMFからの支援を受け入れています。

なお、アルゼンチンは2001年に国債をデフォルトしています。
サムライ債と呼ばれるアルゼンチンが発行した日本円建て国債の一部が個人向けにも販売され、同様にデフォルトしたので覚えている方もいるでしょう。
ちなみに、17年経過した現在でも償還を巡り裁判が行われています。
詳細は管理会社の三菱UFJ銀行のHPをご覧ください。

アルゼンチンの酷い状況

そのアルゼンチン経済が酷いことになっています。
7/24付日経新聞朝刊国際面に、

アルゼンチンペソ急落
政策金利40% 生活直撃
インフレ深刻
政権批判強く

と題し、通貨安を発端にした混乱の様子が掲載されています。

春先からの通貨安進行で、アルゼンチンペソは混乱が深刻化した3月から6月半ばにかけ対米ドルで40%以上下落。
中銀は5月に短期金利を相次いで引き上げ40%とするも通貨安は止まらず。
6月にはIMFから500億ドルの融資枠を緊急で設置するも通貨安は止まらず。
6/20実際にIMFから150億ドルの融資が実行されたことで、その後何とか通貨安は小康状態に。
しかし、それでも3月からは30%以上下落した状態です…

インフレ率は30%に達し、市民は手持ちのペソをちょくちょく米ドルに替えて防衛しています。

IMFからの融資枠設定・融資実行に伴いアルゼンチンは財政規律の厳格化を求められており、現政権は増税ではなく歳出削減で対応するようです。
年金支給額減額や福祉関連も含めて各種補助金カットなど、国民は痛みを伴う生活を受け入れざるを得ません。
財政収支が改善しても、目先は経済活動が低迷して縮小均衡化する可能性もあります。

アルゼンチン経済悪化の原因は放漫財政

ここまで急激にアルゼンチンペソが下落したきっかけは米ドル金利上昇ですが、原因は前左派政権による放漫財政です。
そもそもアルゼンチンは経常赤字国で海外からの資金流入に支えられていましたが、前左派政権がバラマキ政策を実施し財政収支も赤字で双子の赤字を抱えていました。
現政権は緊縮財政化を進めてきましたが、効果が出る前に通貨危機が発生してしまったのです。

厳しい緊縮財政政策が効果を表すまでは時間がかかると同時に、その後も海外経済が活性化しその恩恵を受ける形で自国経済が活性化するまでは更に時間が必要でしょう。
苦しい道のりです。

日本でも通貨安に襲われる可能性はあるか?

日本は巨額経常黒字国

アルゼンチンは経常赤字国であり、海外からの資金流入が途絶えたり逆流するとたちまち通貨危機になります。
一方で、日本は財政赤字国ではありますが経常黒字国です。
それも、巨額の経常黒字を計上し外貨準備額も1兆ドルを優に超える水準です。

また、昨年1年間の経常収支は21.8兆円の黒字
内訳は、貿易・サービス収支が+4.2兆円。
受取配当金などの第一次所得収支が+19.7兆円。
無償援助や国際機関への出資などの第二次所得収支が▲2兆円です。

貿易立国と呼ばれる日本ですが、実際は投資による配当金などの果実で稼いでいる状況です。
このため、海外からの資金流出入に左右されにくい通貨であり、避難通貨と呼ばれる所以です。
普通に考えれば、通貨危機に巻き込まれ日本円が急落、IMFからの支援を求めるような事態にはなりにくいでしょう。

放漫財政と貯蓄取り崩しが急増すると事態は急変?

しかし、この前提が崩れるシナリオもあります。
それは、放漫財政により財政赤字を国内貯蓄で賄いきれなくなり、海外への投資を取り崩して国内に戻し充当する事態です。
当然、海外への投資からの配当金などが減少し第一次所得収支が悪化。
また、金利が上昇しているでしょうから企業活動が停滞し貿易収支も悪化。
結果として、経常収支も悪化します。

現在は、過去の貯金により安泰となっている日本円の強さを謳歌している状況です。
しかし、放漫財政を続けていればその貴重な過去の貯金も取り崩し尽くします。

今すぐにそういう状況に陥ることはないでしょうが、現在の政権や日銀執行部などの中枢にいる人たちがいなくなった世界では、通貨安・高インフレ・高金利に直撃されIMFに金融支援を申し込むこともあり得ます。
目先の老人の票に群がるだけでなく、将来を展望した政権・財政・金融政策運営をぜひお願いしたいものです。

なお、同じく南米のベネズエラでは、年内にインフレ率が100万%になるらしい…
想像つかない…

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