「投資に信用を求めるならぜひスペインに」って新聞広告に悪い冗談かと思った

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イタリア・スペインで政情不安

6/1にスペイン議会下院は、中道右派を率いているラホイ首相に対する不信任案を可決しました。
その結果、ラホイ首相は退任し中道左派のサンチェス氏が新首相に就任することになります。

先月には、イタリアでポピュリズム政党がECB保有のイタリア国債を償還しないなどと発信したり、指名した新首相が組閣を断念するなどした結果イタリア国債の利回りが急上昇(価格は急落)。
スペインでも政情不安が高まりスペイン国債利回りが上昇していました。
その後、イタリア国債利回りはやや低下しましたが、混乱が完全に落ち着いたわけではありません。

ギリシャショック後にEUが混乱を極める中、スペインで緊縮財政を敷いて市場からの評価の高まったラホイ首相が退陣する事態になり、今後しばらくはEU、特に南欧諸国からの政治的ショックに警戒感は残ります。

元々、EU内でもギリシャ・イタリア・スペイン・ポルトガルといった南欧諸国はよく言えば開放的・楽観的、悪く言えば放漫的なお国柄です。
何とかなるさ的な財政運営で、リーマンショック・ギリシャショック後などは常にEU内のお荷物になっています。
ギリシャに至っては、EU加盟に際し粉飾までしていましたし(イタリアにもその噂があります)…

最悪のタイミングでスペインが新聞広告掲載

スペイン国債への投資勧誘新聞広告

そうした中、6/2の読売新聞朝刊を見て思わず笑ってしまいました。
我が家では日経新聞と読売新聞をとっています。
毎月9,000円近い負担は重く、どうするかちょっと考え中ですけど。

その読売新聞国際面の1ページ下部の4割ほどを割いて、

投資に信用を求めるなら、ぜひスペインに。

との大型広告が掲載されていたのです。

それも間の悪いことに広告のすぐ上に

スペイン首相 不信任
汚職批判 7年振り政権交代へ

との記事が掲載されているのにです。

恐らく広告自体はスペイン政府・大使館がスポンサーとなり、以前から広告代理店を経由して広告スペースを買い出稿を準備してきたはずです。
それが、よりによって議会で首相の不信任案が可決された記事とセットで、「信用」を拠り所にスペインへの投資を求める広告が掲載されるとは…
放漫的な財政運営が見込まれる中道左派政権が誕生するのに信用してくれと言われても…

しかもご丁寧に、

スペイン国債への投資は、輝かしい未来に投資すること。

という、サブタイトルまで掲載されています…

国内投資家は南欧国債への投資を拡大中

ラホイ首相に対する不信任案可決の記事は、6/2の日経新聞朝刊にも掲載されています。
更に、

南欧債、含み損拡大
日本の投資家、10兆円保有

と題し、ここ数年イタリア・スペイン国債への投資残高が8兆円近いこと、昨年度末には10兆円に迫るなど更に拡大したこと、直近の国債利回り上昇で含み損が拡大したことも報じています。

記事によれば、日銀の調べで日本の投資家は昨年度末でスペイン国債を4兆円弱を保有しているとのこと。
私がiDeCoで購入している外債インデックスファンドにも組み入れられています。
その外債インデックスファンドに占めるスペイン国債・イタリア国債の割合は、直近決算資料によるとそれぞれ6.0%と10.0%です。

ちなみに、今回のスペイン国債への投資勧誘広告は日経新聞には掲載されていません。
読売新聞は一般紙なので、国際情勢や投資に対する関心・知識があまり高くない読者もいるでしょう。
もし、そういった点を狙っての広告出稿だとすると…
真意はわかりませんけど…

今後の南欧諸国初のリスクオフに警戒

スペインは、これまでも事あるごとにサグラダファミリアのあるバルセロナを擁するカタルーニャの独立を巡り、政情不安が高まってきました。
それに加えて、放漫的な財政運営を掲げる左派政権が誕生することで、先行き不安感が高まります。
ギリシャが何とか落ち着いているのに、ギリシャよりも経済規模が圧倒的に大きいイタリア・スペインで問題が起きリスクオフの動きが起きたらと考えるとかなり心配になります…

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