金融機関で何百億円も日々動かした元プロも自らの退職金運用では素人同然

元プロの運用者も退職金の運用の仕方がわからない

私が時々チェックするブログに、「いろいろでセカンドライフ」さんが運用する軸足の定まらないセカンドライフがあります。
フルタイム労働を卒業し、現在はパートタイム労働をしながら生活されています。
ブログを拝見すると、若い頃から計画性があり将来必要になるお金を逆算しながら生活されてきたようです。
投稿される内容も鋭い見方が含まれておりとても勉強になります。

そのブログに6/8付でコツコツ運用と無縁の人たちが、数千万円を手にしても..が掲載されました。

メガバンクや大商社、メーカーなどで部長・役員などを努め、現役時代に何十億・何百億円を動かした人も、自分が受け取った数千万円レベルの退職金の運用になると全く知恵が回らない

というHABOR BUSINESS Onlineの記事に対し、下記のような意見を述べられています(ちょっと加飾しています)。

上記のようなサラリーマンの中でも成功者と言われるような人たちは、サラリーマン時代も相当の給与・ボーナスを受け取っていたはず。
現役時代はそのフロー収入だけで充分に人並み以上の生活が出来、且つ退職後も相当の厚生年金・企業年金を受け取れるのであえて無理して退職金を運用する必要もない。
低金利下でどう運用するか悩むのも無理はない。

正にその通りだと思います。

なぜ人は自分でお金を運用するか?

お金を運用する必要性があるから

根本的な問いですが、なぜ人は自分でお金を運用するのか?
答えは、
インフレに負けないよう資産を防衛する
運用によりお金を増やし、生活・人生の自由度を高める
ではないでしょうか?

に関しては、保有している資産がインフレ進行に伴って実質的に目減りするのを防ぐことです。
1990年代から日本では物価がほとんど上昇しなかったため、若い人を中心に意識する人は少ないかもしれません。

しかし、最近は物価がマイナス圏に沈むことはありませんし、天候不順などで生鮮食料品の値段が上がることが多くなっています。
当然ながら消費増税が実施されても物価は上がります。
加えてサービス価格は下方硬直性があるため、物価がプラスの下で現預金のまま保有していると実質的な購買力は下がりやすくなります。

に関しては、運用により保有資産が増えれば、サラリーマンや事業を卒業しリタイアも可能です。
あるいは、仕事をしながらでも旅行・買い物などの消費や衣食住でより良い生活を送ること、趣味を充実させることも可能になります。

お金を運用する必要がない人もいる

一方で、無理してお金を運用する必要がない人もいます。
代表的なのは、本投稿の最初に登場した元成功者サラリーマンたちです。
現役時代は高水準の給料・ボーナスを得て収入の心配をしないで生活。
退職後も高水準の厚生年金・企業年金を得てこちらも収入の心配は無し。
要は、今までもこの先も十分なお金が確実に入ってくる人たちです。

あとは、既に十分な資産を保有している人達でしょうか。
運用せずに少しくらいインフレで実質的価値が目減りしても、大して影響を受けない人達です。

仕事での運用と自分の資産の運用は全く違う

会社のカネと自分のカネ

私は、複数の金融機関で運用業務に携わりました。
所属する会社の資金を使った運用です。
かなりの金額の運用も行いました。

当たり前ですが、現在とは決定的な違いがあります。
サラリーマン時代は、損失を計上しても自らの懐は痛みません。
その後のボーナスが減るとか、運用以外の部署に異動になる、出世ラインから外れるなどの可能性はありますが、損失を埋めろとは言われません。
不正などのコンプラ違反をしない限り。

相応のポジションを保有していても、相応の緊張感と恐怖心はありますがあくまで仕事と割り切っていました。
しかし、仕事を辞めて自分の資産でポジションを持っていると、それ以上の緊張感と恐怖心を常に抱えています。
ポジションの大きさは比べ物にならないくらい小さいのに…

こちらも当たり前ながら損失を計上すれば自分の資産が減りますし、その損失の大きさによっては退場しなくてはならない、もしくはレバレッジを効かせていれば借金を抱える危険性もあります。

運用が素人同然になる理由も様々

元成功者サラリーマンは将来的にも収入環境が恵まれているので、かつて仕事で資金を運用していた時のような緊張感を持てないことから運用に真剣になれず、素人のようになるかもしれません。

一方、私の場合は既出のような元成功者サラリーマンではないので、今後十分な厚生年金・企業年金が入ってくることはありません。
「資産を溶かしたら」という過度な緊張感・恐怖心により目が曇り、運用が全くの素人のようになっているのかもしれません…