日本生命のiDeCoプランに商品追加
5/1にニッセイのiDeCoプランに商品が追加されました。
追加されたのはターゲットイヤー型投信4本。
名称は、
DCニッセイターゲットデートファンド2025/2035/2045/2055
です。
ターゲットイヤー型ファンドとは、商品名についている年に向けて自動的に徐々にリスク量が落ちていく商品になります。
具体的には最もリスク量の大きい株式の割合が徐々に落ちていくタイプ。
iDeCoでは60歳になると資産を一時金で受け取るか、年金で受け取るかを選択します。
尤も年金方式で受け取り可能なのは野村證券のプランなどごく一部で殆どは一時金受け取り。
現状の制度では60歳に達すると拠出はできませんが、受け取りを先送りすることは可能。
但し手数料は払い続けなくてはなりません…
相場が順調に推移すると確信するならば、売却益は非課税なので敢えて受け取りを先送りするのもありか…
このターゲットイヤー型ファンドは資産の受取年齢が近づくにつれて自動的にリスク量を落としてくれるので、お任せ運用を希望する加入者がターゲットに近い年の商品を選ぶ価値はあります。
後述の通り他のバランス型ファンドよりも信託報酬は高め。
追加ファンドの詳細
投資対象
ファンド購入者から集められた資金は、各ターゲット年のベビーファンドに集約されます。
それぞれのベビーファンドは国内株・海外債券など各カテゴリーから成るマザーファンドを、設定されたリスク量に応じた割合ずつ購入する形となります。

ちなみにマザーファンドは全てニッセイアセットが運用するファンドであり、内外株式・内外債券・内外REIT・MMFの全部で7本。
ターゲット日にかけての運営
2025年・2035年・2045年・2055年の各12月の決算日に向けそれぞれ徐々にリスク量を落としていき、ターゲット年の決算日以降償還日までは原則全額をMMFで運用することになります。
そのためMMFの比率が高まると現在のマイナス金利政策のような金融環境下では運用益が殆ど見込めません。
しかし後記の通りリスク量が最低レベルになった際でも信託報酬が税抜0.14%発生します。
ターゲット年の決算日以降は資産が確実に目減りしていくことになり注意が必要。
2055型のようにターゲット年が相当先ならば、金利水準も上昇しているかもしれません。
しかし2025型ではマイナス金利とは言わないまでも、極めて低金利の環境下にある可能性があります。
60歳になる前に当該ファンドのターゲット年の決算日が到来する場合、且つなるべく運用リスクを取りたくない場合は、タイミングを見て自ら信託報酬が低くリスクも低めの他商品にスイッチングするオペレーションが有効になるケースもあり得ます。
信託報酬水準
徐々にリスク量を減らしていく商品性から、それぞれのファンドで信託報酬も徐々に低下していき、且ついつからいつまでが○○%と予め決まっています。
例えば2055型の場合、~2042年は税抜0.33%、2042~2047年は税抜0.32%、2047~2052年は税抜0.31%、2052年~償還日の2066年12月は税抜0.14%。
通常のバランス型ファンドとの比較
ニッセイのプランで比較
実はニッセイのiDeCoでは以前からバランス型のファンドもラインナップされています。
DCニッセイワールドセレクトファンドという商品3本で、リスク量の違いからそれぞれ「債券重視型」「標準型」「株式重視型」という名称が付いています。
投資対象は内外株式・内外債券であり、REIT・MMFが無いことを除けば今回追加ラインナップされたターゲットイヤー型と重なります。
ということは、ニッセイアセット任せにせずに自分自身で徐々にリスク量の少ないファンドにスイッチングしていけば、ターゲットイヤー型ファンドを自分で運営できることになります。
ちなみに信託報酬は税抜きでそれぞれ0.18%、0.20%、0.22%。
どう見てもこちらのバランス型ファンドの方が割安…
SBI証券のプランで比較
ニッセイのプランと同様に、私も加入しているiDeCo最大手のSBI証券のプランでもターゲットイヤー型ファンドがラインナップされています。
ターゲット年はニッセイと同様に2025年から2055年にかけて10年毎の設定。
但し信託報酬はターゲット年が近づいても低下せず。
その水準は全てのファンドで税抜0.44%と高め…
一方でSBI証券プランの月間販売額ランキング上位常連の日興DCインデックスバランスシリーズの4本は、株式割合が低い商品から順に信託報酬は税抜きで0.17%、0.18%、0.19%、0.20%。
SBI証券のプランでもターゲットイヤー型ファンドの割高感が目立ちます…
手間を取るかコストを取るか
自動的にリスク量を下げてもらい楽チン運用の一方で高コストを負担するか、自ら期日を管理し自分自身で徐々にリスク量の低いファンドにスイッチングしていき、低コストの恩恵を享受するか。
利用者次第です。
尤も折角老後のための資金を準備するのですから、勉強しながら手間をかけるのも楽しみのひとつだと思いますよ。