メガバンク就職希望人気急落は安定神話が崩れた当然の結果

bankclerk

2019年春卒業予定者の就職戦線

2019年春に卒業・就職予定大学生の就職活動がまさに活況の様相です。
経団連に加盟する大手企業では3/1に企業説明会が始まり6/1に内々定が出されるようです。
尤も、それ以外の企業では既に内々定も出ていることでしょう。

現在は空前の売り手市場であり、中堅・中小企業をはじめとして早めに優秀な学生を確保しようと内々定を出しているはずです。
尤も、売り手市場であるということは、優秀な学生ほどそういった早々に得た内々定を保険にして今後の大企業への就職活動を継続するのでしょう。
一方、既に内々定を出した中小企業はつなぎ留めに懸命と思われます。

メガバンクへの就職希望ランキングが急落

メガバンク人気が急落

そうした中、4/17付日経新聞朝刊総合面に

就職希望ランキング
メガバンク人気陰り

と題し、メガバンクを中心に銀行の人気が急落している記事が掲載されています。
多くの就活生は日経新聞を読んでいるでしょうから、目にした方も多いと思います。

記事によれば、昨年人気トップだったみずほFGが1位⇒17位に、三井住友FGは5位⇒14位に、三菱UFJFGは2位⇒4位に順位を下げています。
また、特に深刻なのが女子学生からの人気悪化で、みずほFGが1位⇒24位、三井住友FGが8位⇒17位となっています。
みずほFGの人気が他陣営よりも急落しているのは、一連のリストラ報道によるものでしょう。

みずほFGの人員削減はやはり総合職を狙い撃ち 先月末からメガバンクのリストラを巡る報道が相次いでいます。 このブログでも下記の様に取り上げています。 削減人数はみずほFG...

人気急落の原因

メガバンクの人気が急落したのは当然でしょう。
昨年秋以降、メガバンクによるリストラ報道・発表が相次ぎ、はたから見ても労働環境としての魅力が急速に悪化しているからです。

単純作業はRPAで機械化。
従来は人の手により行われていた融資判断、市場業務などにはAIが進出。
日銀による異次元緩和政策とその一環であるマイナス金利政策で、預貸スプレッドや長短金利差からなる伝統的な銀行業務による収益はジリ貧どころか一部は赤字転落。
収益源を投信や保険の販売に頼るビジネスモデルになり、法人と共に成長していくというダイナミズムを感じにくくなっている状況。

要は、現在の金融環境では銀行は構造不況業種になりつつあります。
構造不況業種ともなれば、日々の仕事がつまらなくなり高給も保証されず…

かつては高い人気を誇ったメガバンク

かつてはメガバンクというか、都銀などの大手銀行は就活生に高い人気を誇っていました。
絶頂だったのはバブル期でしょうか?
私はまだ学生でしたが。

大手格付け会社がAAAの格付を連発。
超円高とその対策の金融緩和政策でお金が溢れかえりバブル経済を謳歌。
給与水準も高く、株式時価総額や就職希望ランキングは大手銀行が上位を独占。
今と違い大手行の数も多く、都銀・長信銀・信託銀で20行以上。

私が就職した頃は既にバブルは崩壊していたものの、それでも銀行の人気は継続しておりゼミの先生たちも大手銀行への就職を推奨していました。
給与水準が高いこともあるのですが、関連企業を数多く持っていることに加えて規模は様々でも人員を受け入れてくれる取引先企業も多く、一旦大手銀行に就職すれば定年近辺まで職に困ることはないと考えられていたからです。

私も最初の就職先は大手銀行の一角でした。
初任給を除けば確かに給与水準は高い方でしたし、部屋を借りる際に全く審査などなく大家が直ぐに決めてくれと言って即決だったこともありました。
かつての世間の評価は「安定している高給取り」というイメージなのでしょう。

今後は厳しい銀行員

スキルを要求されない職種では待遇が悪化する

元々、バブル期前から間接金融⇒直接金融への流れが進行し、大企業を中心に銀行離れが加速していましたが、それでも対大企業以外ではまだまだ銀行の役割は大きなものでした。
しかし、日銀による異次元金融緩和政策でお金が溢れかえると、融資を通じた資金仲介機能・信用供与機能がマヒすると同時に儲からない商売になってきました。

今後銀行は儲からない薄利多売産業としてRPA化・AI化が加速。
一部を除き、殆どの銀行員には創造性を伴った高度なスキルが求められなくなります。
高度なスキルが不要になれば、高い給料を支払う必要も無くなります。
もちろん人員も相当スリム化されるでしょう。

そうなると優秀な人材は銀行に集まらなくなります。
お金を積む必要のある人材は、AIを設計するシステム要員と一部幹部のみです。

同じ銀行員でもスキルにより待遇格差が拡大する

アメリカでは伝統的銀行業務を行うウエルズファーゴなどの商業銀行と、高度な金融サービスを提供するゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなどの投資銀行があります。
同じ銀行と名が付きますが、専門性とスキルには大きな違いがあり社会的地位や給与水準も全く違います。

日本でも今後は伝統的銀行業務を行う銀行員には高度なスキルを要求されなくなると共に給与水準が下がる一方、高度な専門知識を持つ一部の銀行員の待遇が良くなるのでしょう。
現在、日本の銀行では同じ銀行内なら携わる業務が異なっていても給与テーブルは同じです。
しかし、今後は携わる業務が違えば全く異なる給与テーブルが採用されるのかもしれません。
あるいは、米国のように商業銀行と投資銀行にはっきり分かれるとか。

そういう意味では、失敗はしましたがみずほが経営統合当初に大企業向けのみずほコーポレート銀行とそれ以外のみずほ銀行に分かれたのは、ビジネスモデルとしては有効だったのかもしれません。
但し、時代を先取りし過ぎたのかも…

尤も、みずほが銀行を分けたのはポストの確保のためでしょうが…

就活生に向けて

内定獲得・入社はゴールではありません。
今後の人生のスタートです。
安易に大企業志向を強めるのではなく今後伸びていく業界・企業をしっかりと研究し、納得できる就職活動をしたと感じられるようお祈りしています。

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