築古1Kアパートを2LDKにリフォームしてアパート経営は成り立つか?

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新聞に築古アパートリフォームの一面広告

4/23付日経新聞首都圏版に、とある不動産関係の一面広告が掲載されました。
大手電鉄系不動産・建設による築古アパートのリフォーム提案広告です。

前置きとして、東京の賃貸用空き家は64万5千戸でその多くが建物老朽化と所有者高齢化という課題に直面。
そこで、こういった物件の有効活用策の一つとして、築古1Kアパートを2LDKアパートにリフォームしましょうという内容です。

リフォーム計画の前提条件

前提として、築45年で1K×8室のアパート。
賃料は1部屋あたり約25,000円も、半数が空室で収入は現状25,000円×4の10万円。
これを、2,100万円かけて2LDK×2室にリフォームし、賃料125,000円×2の250,000円を得る。
年間賃料は25万円×12で300万円。
結果、リフォーム費用は7年で回収するとあります。

そもそもこの物件で不動産賃貸業は成り立つのか?

入居者の需要が相当に高ければ、いくら古くなっても物件は埋まります。

ということで、空室率が上昇している理由は需給の悪化です。
全国的に見れば若年層人口は急激に減少している一方、東京は未だ世帯数が増加しており恵まれています。
しかし、それ以上に賃貸用物件が増えており、東京都内であっても供給過多で需給が悪化しています。
全体として、築古物件の空室率上昇ピッチは相当でしょう。

次に、オーナーから見た収入不安です。
現在は8室ですがリフォーム後は2室になります。
0か1か2です。
2室とも埋まればいいですが、1室空けば収入は半分。
2室空けば収入はゼロです。

所有室数が少なくなると、リスク分散効果が働きません。
しかし、返済の前提は満室です。
収入を全額返済に回すので、半分になればこの物件からの無収入期間が14年に伸びます。

駅近など立地条件が良ければいくら築古でもニーズはあるものです。
しかし、格安に家賃を設定しても現状半分しか埋まらないということは立地が悪いのでしょう。
今後、ますます空室率が上昇し競争が厳しくなる中で、大型投資に見合う収益を上げることはかなり難しい…

オーナーはどうするべきなのか?

では、この物件のオーナーさんはどうすべきなのか?
築45年でオーナーが高齢者ならば、おそらく借金の返済は終わっているでしょう。
また、問題意識を持っている時点で、相当に先行き不安が大きいと考えられます。
であるならば、新たなリスクを抱えずに売却してしまうのが最良と考えます。
少なくとも手元に相応の現金が残るはずですから、今後それを取り崩していけばいい。

もし、オーナーが高齢者ではない場合はどうでしょうか?
現時点で相当の築古で入居状況も芳しくないならば、中古での購入価格もそこまで高くないでしょう。
もしくは、相続で物件を入手しているのかもしれません。
この場合も、第一選択肢は物件の売却です。
需給悪化が確実で、リフォームをしなければジリ貧になることが明らかならば、先送りすると事態は悪化するだけです。

この物件を買うとしたら?

立場を変えて、この物件を購入すると考えるとどうでしょうか?
その場合、選択肢は二つ。

一つ目は、最低限のメンテナンスだけは行って家賃は実勢に合わせて徐々に下げ、現状の空室率50%は何としてもキープする。
それでも損が出ない金額で買う。
買う側としては、買わないという選択肢があるのですから無理は禁物です。

二つ目は、入居者には退去してもらう前提とし退去完了後に即リフォーム。
それでも、相当に期待利回りが高くなるような金額で購入。
こちらも、買わない選択肢を最大限利用する。

どちらにしても、立地が悪いならば無理して購入する必要はありません。
東京でも2020年代半ばには世帯数が減少に転じます。
自分が持ち家として住みたいと思う立地以外で、不動産賃貸業を行うリスクを考えるべきでしょう。
賃貸で住むならば資産価値はどうでもいいですが、持ち家ならば資産価値の先行きに目が行くはずです。

現状を打破するために投資は必要でしょうが、投資は回収できなければ無駄どころか足枷になります。
費用対効果と堅めの事業計画は必須です。

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