睡眠預金・睡眠貯金の活用
睡眠預貯金とは?
預金にしろ貯金にしろ、長期間使っていなかった口座のキャッシュカードを使おうとして、久し振りにATMに通したところ使えなかった経験がある人もいると思います。
引き出しだけでなく残高照会もできなくなります。
これが睡眠預貯金。
こうなると残高確認をしたり預貯金を引き出すためには営業時間中に金融機関の窓口に行くしかありません。
それでも払い戻し請求をすれば利息を付けてちゃんと返してくれます。
この睡眠預貯金に関しては、預貯金していることを忘れたりわざと放置しているだけでではありません。
預貯金者が他界し、相続手続きがなされないまま放置されているケースも多いようです。
一旦睡眠預貯金になると払い戻されるケースが少ないため、金融機関は自分たちの利益として雑益に計上。
その後払い戻し請求があれば雑損として計上。
ちなみに金融機関全体で年間約700億円程が雑益として計上されているようです。

結構大きい金額になるんだね!
睡眠預貯金の活用が話題に
最近話題なのが睡眠預貯金の活用。
睡眠預貯金を金融機関の収益にするのではなく、社会的に意義のある事業に役立てようというのです。
睡眠預貯金の管理には費用がかかるので利益計上することにも一理あるのですが、2012年民主党政権下で人気取り政策の一つとして持ち上がり、結局今年の1月末に政府が基本方針案を取りまとめました。
そんな中、3/2付日経新聞朝刊金融経済面に
「休眠預金活用」システムに課題
と題した記事が掲載されました。
「金融機関は睡眠預貯金の雑益計上を取り上げられることに加え、システム投資に数十億円以上を負担させられるとして不満がくすぶっている」と紹介されています。
この制度も結局は補助金として活用されることから新たな利権になり、政治家・役人が自由に使えるお金が増えるだけなのですけどね。
それにしても毎年700億円の利権って凄い…
ゆうちょの睡眠貯金は預入時期等により払い戻し不可
先ほど「一旦睡眠預貯金になっても金融機関の窓口に行けば払い戻しできる」とご紹介しましたがゆうちょの場合は注意が必要。
ポイントは「2007年10月1日の郵政民営化」。
同日を以ってゆうちょは民営化され、それまでの旧郵便貯金法による規制から銀行法による規制に代わりました。
そのため睡眠貯金の取り扱い方法が変わったのです。
具体的に下記マトリスクでご説明します。
1年満期・10年満期などの定期性貯金や預入後半年経過で払い戻し自由な定額貯金などと、キャッシュカードで出し入れできる流動性貯金の通常貯金・貯蓄貯金で取扱いが分かれます。
定期性貯金
民営化された2007年10月1日を境にして、同日以降に作成した定額・定期・積立貯金は睡眠貯金になっても窓口に行けば払い戻してくれます。
一般的な銀行と同じ扱い。
しかし2007年9月30日以前に作成した後で満期を迎え、更に満期日から20年2か月が経過すると、旧郵便貯金法の規定により払い戻しできず没収されてしまいます。

嘘っ?
本日2018年3月3日で計算すると、1998年1月3日以前に満期を迎えその後放置されている定期性貯金は、ゆうちょの窓口に行っても払い戻しができず没収されてお金は国庫に入ることになります。
要は国のものになってしまいます…
流動性貯金
ATMを使い入出金ができる通常の郵便貯金や貯蓄貯金です。
こちらは最終入出金が1987年7月31日以前だった場合(民営化された2007年10月1日の前日である9月30日の時点で、最終入出金日から20年2か月が経過している場合)は没収。
旧郵便貯金法の規定によります。
1987年7月31日以降に入出金を行っていれば、睡眠貯金になっていたとしてもゆうちょの窓口に行けば払い戻してくれます。
私は学生時代に親から仕送りしてもらう際ゆうちょを利用していたので、1987年7月31日以降も入出金をしています。
卒業後一回も入出金をしていないので少額が睡眠貯金になっているでしょうが、窓口に行けば払い戻してもらえることになります。
尤も通帳もキャッシュカードもどこにあるかわかりませんが…
ゆうちょは証書の貯金が要注意
ゆうちょの総合口座通帳で定期貯金などを作成していれば気付くかもしれません。
しかしぺら紙一枚の証書で作成している場合はどこかに紛れ込んで気付かない、もしくは作成したことすら忘れているかもしれません。
特に高齢の家族がいてゆうちょを利用していた場合は要注意。
ゆうちょの窓口に本人と行けば、残っている貯金があるか名寄せして確認してくれるかも知れません。
念のため確認しておくことをおススメします。
睡眠貯金の詳細はゆうちょHPにてご確認ください。
せっかくの財産が没収されて国庫に入るのは悔しいですから。