貸株サービスは証券会社が破綻すると保護されないので要注意

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保有株の貸株サービス

貸株サービスとは

貸株サービスの概要

個別株を保有している場合、その保有している株式の利用方法として一般的なのは信用取引や先物取引などの代用有価証券として利用することです。
但し、現金や保有している株式が信用取引額に対し多額の場合、またそもそも信用取引などを行わない人にとっては、単純に証券会社に預けているだけになります。
要は、期末の配当金などを受け取る以外は何も収益を生まない資産というわけです(評価は上下しますが)。

債券と違い、株式の場合は権利日に保有してさえいれば、期中の配当を受け取ることが出来ます。
しかし、年一回配当の株式の場合は残りの364日は単に預けているだけで収益を生んでくれません。
そこで、権利日以外の日に保有株を証券会社に貸し出して、その貸出料を得る仕組みが貸株サービスです。

貸株サービスが存在する理由

そもそもなぜこういったサービスがあるかといえば、借りたい人がいて借りるニーズがあるからです。
借りたい人とは一般的には株式の空売りする人であり多くはヘッジファンドなどになります。
尤も、中には証券会社自身が行う空売りのために調達するケースもあります。
ネット証券は通常自己ポジションを持たないので、我々がネット証券で貸株サービスを利用するケースでは、ほとんどが外部の投資家に貸し出されます。

ちなみに貸出料率は通常で年率0.10%、需給がひっ迫している場合は年率1.0%超になるケースもあるようです。
少額でも収益を生まないで預けているだけの資産から収益を得られれば、運用成績に向上につながります。

どこで貸株サービスを利用できるのか?

代表的なネット証券であればほぼ対応しています。
例えば、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、GMOクリック証券など。
多くの場合、配当や株主優待・議決権などを得たければ権利日近くになると自動的に貸株サービスが一時解除され株主の権利を得て、その後再度貸株サービスが自動適用される設定が可能のようです。
取引している証券会社のサービス内容をよく確認してください。

また、銘柄により貸株サービスを適用するかを選択し、更には同一銘柄の中でも一部だけ適用することも可能なケースがあります。

貸株サービスの注意点

権利日に解除しないと株主の権利が得られない

多くの証券会社では権利日前に自動的に貸株サービスを解除する設定がありますが、もし解除しない場合は株主としての権利を得られません。
即ち、配当や株主優待・議決権の権利を受けられないのです。
尤も、配当金相当額のお金はもらえます。

配当金相当額や貸株料は雑所得の総合課税

配当金相当額のお金は配当所得ではなく雑所得になるので、金額によっては確定申告の対象になります。
配当控除も受けられません

長期継続保有対象から外れる

株主優待によっては、一定期間以上保有すると株主優待で優遇されるケースがあります。
しかし、貸株サービスを利用すると権利日に戻ってきた際に株主番号が変わっているため、株主としての同一性が確認できないとして長期保有に伴う優遇を受けられなくなるケースが殆どです。

ファンドなどの都合で株式が権利日に戻ってこない可能性がある

貸株サービスでは配当などの権利を得るため権利日の数日前にサービスを解除する設定が可能です。
それでもファンドなどの都合で株式が戻ってこない可能性があります。
もちろん配当金相当額に加えて損害金は受け取れますが、株主優待や議決権の権利は得られません。

また、ファンドなどが破たんした場合はファンドなどから取得していた担保を証券会社が処分して真の保有者に株式を戻すものの、権利日に間に合わないケースもあり得ます。

証券会社破たん時は保護されない

最大のリスクがこれです。
要は、貸株サービス利用先の証券会社が破綻した際は、貸株サービスで貸し出した株式が保護されないのです。
通常、証券会社に預けた現金や株式・投信などは1,000万円まで投資者保護基金で保護されますが、貸株サービスを利用して貸し出した株式は保護対象から外れます。

なぜかと言えば、貸株サービスは株式の真の保有者と証券会社間の消費貸借契約、もしくは消費寄託契約になり無担保で証券会社に貸し出しているから。
更には、貸し出し中の株式が分別保管の対象から外れてしまい証券会社独自の資産と混蔵保管になるためです。
具体的には証券会社が破たんした場合、貸株サービスを利用して貸し出した株式分の債権を保有する一般債権者と同等の立場になります。

追証充当に間に合わない

信用取引で追証が発生した場合、SBI証券など多くの証券会社では追証発生日の2営業日後の15時が追証入金期限に設定されています。
しかし、追証発生時に貸株サービスを解除しても株式が戻ってきて代用有証に換算できるのは最短で3営業日目になるため、追証入金期限に間に合いません。
自分の株式なのに自分で使えない事態になるのです。

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以上、貸株サービスの内容や注意点をご紹介してきました。
貸し株料を得られる利点がある一方、まさかの際には投資者保護基金で保護されないなど相当のリスクを伴います。

利用する際は証券会社が提供する注意事項を良く読み込んで、メリット・デメリットを十分に検討してからにしましょう。

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