2018年9月にEXE-iつみたて先進国株式ファンド⇒EXE-i先進国株式ファンド(愛称:雪だるま先進国株式)に名称変更。
いつの間にやら…
尤も純資産は全く伸びず…
投信の信託報酬引き下げ競争が活況
2016年頃からDC専用投信の一般向け販売開始、低信託報酬型投信の相次ぐ設定、既存投信の信託報酬引き下げなどが始まり、2017年もアセマネONE・ニッセイアセット・三菱UFJ国際投信などが年末にかけ既存投信の信託報酬引き下げを発表。

極めつけだったのは楽天投信が設定したバンガードETFの国内投信版。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)は、バンガードの巨大インデックスファンドを円建てで購入でき、信託報酬に管理費用も含めて0.2396%と低コスト。
昨年の投信ブロガー198名が選ぶ「Fund of the year 2017」のNo.1投信にも選出されました。
低コストで購入・保有できる投信が増えることは有難い限り。
SBI EXE-iつみたて先進国株式ファンド
SBI EXE-iつみたて先進国株式ファンドの特徴
そうした中、1/12に掲題のSBI EXE-iつみたて先進国株式ファンドが設定されました。
SBI証券ではつみたてNISA枠でも購入できますが、投信マイレージ対象外なので要注意。
⇒0.02%に
信託報酬は驚異の0.081%(税込)⇒0.0682%(税込)
投資先ETFの管理費用を含めても0.1155%(税込)⇒0.09549~0.1022%(税込)
実際にはこれに上限0.02%の監査費用、ベビーファンドがマザーファンド(ETF)を売買する際の手数料、税金、その他費用などが加算されます。
このファンドの特徴はもちろん低コストなのですが、それ以外にもあります。
ベンチマークがFTSEディベロップド・オールキャップ・インデックス(円建て)(以下、FTSEDACI)を採用していること。
日本で一般的に販売されている国際株式型インデックス投信では「MSCIコクサイ(円建て)除く日本」がほとんどですが、SBIの新ファンドは違います。
MSCIコクサイはブランド・インデックス利用料が高いのですかね?
MSCIコクサイ(円建て)除く日本との違い
FTSEDACIの「MSCIコクサイ(円建て)除く日本」との大きな違いは、
①日本が入る(9.29% 2017年12月)
②韓国が入る(2.00% 2017年12月)
③小型株が入る
です。
韓国はMSCIでは新興国ですがFTSEでは先進国。
2017年12月現在のFTSEDACI国別比率で組み入れ上位は、
米国57.59%、日本9.29%、イギリス6.69%、カナダ3.54%、フランス3.40%、ドイツ3.39%、スイス2.83%、オーストラリア2.60%などとなっています。
米国が圧倒的に1番ですが、日本も2番に入っています。
ベビーファンドでマザーファンドとなるETFを買う
この投信は米国株に関しては「シュワブ U.S. ブロード マーケット ETF」を購入し、それ以外の国の株式に関しては「SPDR ポートフォリオ ディベロップド・ワールド(除く米国)ETF」を購入。
計2本のETFに投資することになり、比率の調整はSBIアセットが行います。
個別株に投資しファンドを組成するにはある程度の純資産が無ければコストを賄いきれません。
しかし、このSBIの投信や楽天VTのように低コストの既存インデックスETFだけを投資対象として売買することで、ファンドの管理費用を抑える手法が今後も流行るのかもしれません。
問題点
ここで問題点。
①海外株に投資したいのに全体の9%強を日本株が占める
②韓国も入る
です。
既に相応に日本株(投信を含め)を保有しているなら、全体から見て日本株のウエートが高くなってしまいます。
韓国に関してはサムスンなどの大手テクノロジー企業が圧倒的に大きなウエートを占めますが、朝鮮半島有事の影響をモロに受けることになります。
他低信託報酬型投信との比較
楽天バンガード
まず、楽天バンガードでは先進国株式型投信がありません。
現在は、全世界株式・全米株式・米国高配当株式・新興国株式なので、先進国株式を対象にした投信が無いのです。
他の低信託報酬型インデックス投信
eMAXIS Slimやニッセイ外国株式インデックス、たわらノーロードなどはMSCIコクサイ(円建て)除く日本をベンチマークにしています。
要は、日本と韓国が含まれていません。
また、見た目の信託報酬はeMAXIS Slimの0.11826%を0.1023%を筆頭に低く抑えていますが、追加の管理費用を加えると0.20%強~になります。
本件SBIの商品は、見た目の信託報酬(0.1022%)に上限0.02%の監査費用やETF売買手数料・税金などのその他手数料が上乗せ。
最終的に0.20%を超えてくると思われるも、最初の決算を迎えるまでは未知数です。
私の結論~買付見送り
結局、購入は一旦見送り。
理由は、
日本が含まれる
そもそも、私のアセットアロケーションの中で日本株インデックスを含める意向がないため。
これはと思う個別日本株を少しずつ買ってはいますが。
日本株インデックスを買うことは日本全体の成長を買うということです。
しかし、人口減少問題を抱え財政上の制約もある日本の成長率が、継続して世界の成長率を上回るかというと難しいと思うので。
韓国が含まれる
テクノロジー銘柄としてサムスン等を含めることに魅力はありますが、やはり朝鮮半島有事を勘案すれば躊躇します。
最終的なコストが不透明
商品を設定して間もないので、マザーファンドとなる2本のETF売買費用や税金などその他費用の不確定要素が大きいのも不安。
ちなみにeMAXIS Slimはまだ初回決算を公表していませんが、同じマザーファンドに投資するeMAXIS先進国無印版のその他費用は直近決算で0.094%。
純資産残高が大きい無印版と全く同等とは限りませんが、同じと仮定してeMAXIS Slimの信託報酬0.11826%と合計すると0.21226%です。
買付は一旦見送り
投資対象国に含めたくない国の割合が合わせて10%を超え、最終的な費用も(おそらく)eMAXIS Slimと同等レベルとなる以上、本件SBIの商品の買付は一旦見送りとします。
但し、決算を通過し最終的な費用が相当に低い場合は再考するかもしれません。