東芝の債務者格付けを破綻懸念先に分類した地銀が出現

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東芝に一大事が起こっている

原発事業やPC事業の実質的な粉飾で経営危機に陥っている東芝ですが、ここにきて虎の子の東芝メモリの売却先を巡り一層混迷を深めています。
経済マターというより、もう政治マターですね。

そうした中、ついに来たという記事が9/15の日経新聞朝刊に掲載されました。

債務者格付けを「要管理先」より一段下の「破綻懸念先」に落とした地銀がある。

という記事です。

銀行による自己査定とは?

債務者格付

あまりなじみのない方も多いと思いますが、金融機関は自らが与信先を経営状態・返済状態により分類します(自己査定という作業)。
そのうえで、保証・担保の有無により与信額を分類します。
最終的に、与信1本1本毎に健全度を分類するのです。

自己査定2

上記表は、第一段階となる債務者分類を一覧にしたものです。

債権分類

債権分類

こちらの表は、最初のマトリクスで分類した債務者区分向け債権毎に、担保・保証の有無、担保・保証の再分類した内容を一覧にしたものです。

例えば、正常先であれば無担保でも全額が第1分類で正常債権です。
一方、実質破綻先であれば貸出が1億円ありその内優良保証付が5千万円、一般担保付が2千万円、無担保・無保証部分が3千万円だとします。
第1分類債権が5千万円、第2分類債権が1,400万円(2千万円×0.7)、第3分類債権が600万円(2千万円×0.3)、第4分類債権が3千万円となります。

なぜ債務者を分類するかといえば、取引対応方針を決めるためです。
債務者格付けが下がると新規の与信を控えます。
与信額の維持(借り換え・ロール・ジャンプ)さえ困難になっていき、回収方針になります。
そして、なぜ債権を分類するかといえば、分類により損失に備える引当率が変わるからです。

現在、メインの三井住友・みずほ・三井住友信託を始め、ほとんどの金融機関は東芝を要注意先に分類しています。
但し、5/5東芝の正念場は続くで紹介した通り、準メイン扱いの三菱UFJはその下の要管理先に引き下げました(要管理先向けは不良債権)
その結果、日経新聞によると三菱UFJは与信額増額どころか維持も困難で、6月末までの3か月間で与信額を40%減らしました。

ある地銀が東芝を破綻懸念先に分類した衝撃

そうした中、冒頭に紹介した通り債務者格付けを更に下のランクとなる実質破綻先に落とした地銀が現れたのです。
これはホントに衝撃的です。
何しろ、債務者格付け上の定義は「破綻の可能性が高い」ですから。

ちなみに、ちょっと古いですが2012年3月期のあるメガバンクでは、破綻懸念先向け債権の内で、一般担保評価額の3割部分と無担保部分への引当率は75.8%。
要は、劣後担保部分と無担保部分には75.8%を予め損失と見込んで決算を通過しているのです。

日経新聞によれば、三菱UFJ以外にもメイン行以外は撤退方針の様で、そのあおりを受けメイン行の融資比率は12%上昇(メイン寄せ)の49%と、東芝が受けている与信のほぼ半分に達しています。
更に、メイン行がとっている担保は東芝メモリ株式ですから、東芝メモリの売却動向に神経質になるのも当然でしょう。

東芝はでどうなってしまうのでしょうか…

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