法人税率は下がり個人の所得税率は上がっていく

税金支払い

法人税率の引き下げ競争

各国が法人税率を引き下げて企業を誘致し、自国での法人税収入を増加させることに躍起になっています。
9/4付日経新聞朝刊でもその様子が掲載されています。

しかし、法人税率を下げてもそれ以上に他国が下げれば、多国籍企業は再び出て行ってしまいます。
携帯電話のナンバーポータビリティーと同じですね。
有利な国に行くだけです。

国内企業に関して、法人税率が下がり手元に多く残る現金を投資に回し更に成長すれば、回り回って利益の成長と法人税収増に結び付くかもしれませんが、投資に後ろ向き、もしくは株主還元に熱心になり過ぎれば、単に法人税収が減るだけです。

また、思ったほど税収が伸びなければその穴埋めは個人に向けられ、所得税率が上がります。
法人税率が下がり企業の所得が増えた場合、株式を持っていれば受け取る配当の増加や株価上昇でチャラになり、もしくはそれ以上に手取り所得が増えることもあるでしょうが、株式を持っていなければ所得税率上昇で税金の支払いが増え、手取り所得が減るだけです。

すっかり下火のピケティ理論

ちょっと前に一瞬盛り上がったピケティ理論を覚えていますか?
資本収益率(r)は経済成長率(g)を上回る(r>g)の世界です。
働いて収入を得ても、その伸び率は資産から得る収入の伸び率よりも低いため、持てる人と持たざる人の格差が広がるという理論です。

この理論では、「格差是正のため富裕層(収入を生む資産を多く持っているひと)への課税を強化しましょう」という結論に達していますが、それでは富裕層は企業と同じように他国に移るのでうまくいきません。

日本人の特性

それでも、日本人は海外で生活することに多大なストレスを抱える傾向があるようで、税率の低いシンガポールなどに移住しても結局は帰国したい念にかられるそうです。
EU諸国では実質的に人の出入りが自由で住む国、納税する国を選べる環境にありますが、日本ではなかなか難しそうです。

富めるためにはまず種銭を作って課税に負けない資産を積み上げ、他国に移住する選択肢を得るくらいまでいくしかないのでしょうね。

スポンサーリンク