REIT相場が足元で意外に底堅い
当ブログでも度々話題にしてきたように、REIT相場には金融庁の政策により逆風が続いていました。
毎月分配型投信を目の敵にした結果、毎月分配型投信からの資金流出が目立っていましたが、それらは実は利回り確保のため毎月分配型投信はREITを多く保有。
また主力REIT銘柄などを保有する地銀に対し、組み込み物件を全て調査したうえで買っているのかと圧力。
個別銘柄売り・インデックス型買いのオペレーションが目立った結果、主力銘柄売り・弱小銘柄買いにつながった、等々。

官製軟調相場…
欧米の金融政策正常化への備えとして、グローバルにREITが売られたことも軟調相場につながりました。
しかしここにきてやや様子が変わってきています。
冒頭のグラフは昨年末のTOPIX・不動産株指数・REIT指数をそれぞれ100とした価格推移。
7月半ばにかけ売られたREITが値を戻し、その後もやや底堅い動きを見せています。
売られた結果、利回り妙味が高まり拾う動きが入ったと考えられます。
不動産株が軟調
下げ止まり感のあるREIT相場に逆行する不動産株
一方でここにきて目立つのが不動産株指数の軟調推移。
5月以降TOPIXが下値を切り上げ、REITが7月半ば以降下げ止まっているのにです。
通常REIT相場が堅調であれば、傘下REITへの物件の押し込みなどを通じ不動産会社の業績も良くなる傾向にありますし、オフィス空室率が最低水準、オフィス賃料も値上がり継続なのに…
上記グラフは代表的な不動産銘柄である三井不動産・三菱地所の株価、不動産株指数の昨年末を100とした価格推移。
代表的な不動産株が下げを先導していることが見て取れます。
REITの収入が賃料のみに対し、大手不動産会社はマンション販売なども行っているものの、そういった住宅事業の割合は同業他社と比較すると大きくはありません。
投資家層の違い
残るは投資家層の違い。
海外投資家の保有比率が高いのです。
この2社に加えて軟調な株価が目立つ東京建物も同様。
直近で三井不動産(50.8%)、三菱地所(45.4%)、東京建物(43.4%)など。
一方で底堅い株価の動きを見せる住友不動産は30.3%、ヒューリックは16.6%、野村不動産は33.1%など。
海外投資家による日本の不動産市況、不動産株への見方が厳しくなっている可能性があります。
不動産市況は景気への波及効果が大きいと同時に、融資の担保になることを通じ金融システムへの波及効果も大きくなります。
心配は尽きません…