正式に勘定系システムのクラウド化を決定したようです。
2021年を目途に移行が完了するみたい。
北国銀行はIT化、ペーパーレス化を加速
銀行の常識である紙をことごとく排除
5/22の日経新聞朝刊のとある記事に度肝を抜かれました。
それは、
地銀にできる金融大革新
で特集されていた北国銀行。
北国銀行は北陸石川県の銀行で県内の融資シェアは5割近くにのぼるものの、総資産は約4兆円程度という中堅地銀。
何にド肝を抜かれたかと言えばまずはIT化の徹底。
金融業界というか銀行業界は官庁と並びペーパーレス化が最も遅れている双璧。
殆どの銀行で膨大な貸出協議書・稟議書の付属資料に始まり、当然ながら契約書なども紙ベース。
勤務記録表の電子化も遅れていたので、出勤時刻・退勤時刻は結構最近まで手書き。
そのためいくらでもサービスが残業できる土壌がありました。

酷いよね…
重要な連絡を回覧する通達なども毎日のようにいろいろな部署から紙で回ってきて、全員が「見たよ」という証拠にハンコを押印していました。
それが北国銀行では机の上にはタブレットにもなるPCとモニターがあるだけ。
紙が無いから引き出しやごみ箱さえ無いらしい…

ゴミ箱が無いって…
ペーパーレス化の効果は絶大で平均残業時間は月間1時間ほど。

月間で?
残業代もピーク時から1割以下に。
残業代を当てにできなくなったのは、行員さんにはちょっと苦しいかな?
ペーパーレス化でコンサル能力も改善
更に度肝を抜かれたのがこうした経験を基にベンチャー企業とも提携し、取引先に対してもバックオフィス的業務から解放させるべくコンサルティングを実施。
PCを買うのに付いていく事もあり、企業が承諾すればリアルタイムで経理情報を把握することもあるらしい。
企業からすればガラス張りになることに不安もあるでしょうが、適切で迅速な経営への助言を得られるメリットも。

本業に繋がるところが凄い!
最近三菱UFJグループがアマゾンのクラウド導入を決めるなど、銀行業という最も遅れていた業種でもIT化が加速。
その内に銀行支店での営業窓口は投資相談などを除き全廃になるのでしょう。
振り込みや入出金をするだけで、沢山書かなくてはいけない伝票の廃止と共に…
勘定系システムもクラウド化
2018年1月16日の日経新聞の記事によると、北国銀行は何と勘定系システムまでもクラウド化してしまうようです。
銀行・証券などの金融業はお金を扱うだけに、計算間違えやデータ消失はあってはならないこと。
そのため自前で何重にもなるデータセンターを構えてきました。
大手銀行ではその維持費だけで年間数千億円…

大手行は災害に備えて複数の地でバックアップしてるよ
しかし北国銀行はこの聖域ともいえる勘定系システムまでもクラウド化。
恐らくコストは相当に抑えられるはず。
頭取の経歴を調べてみると、財務省や日銀などからの天下りではなく生え抜きの様です。
規模は小さいながらとても先進的な銀行ですね。