大企業の借金が過去最高を更新する一方、中小は減らしている

負債

本日から5月。
GWの中日ですが、私に休みはありません。
トレードです。
こういった日柄では、休みをとったサラリーマンなどが相場に参加するために、個人が好きそうな個別株で普段とは違った値動きをすることがあります。
年末にも見られる傾向です。

大企業が借金を増やしている

意外にも借金を増やす大企業

さて本題です。
4/29の日経新聞朝刊総合面に、

大企業、攻めの借金経営

という記事が掲載されました。

財務省が公表する法人企業統計で、大企業にあたる資本金10億円以上の企業の昨年末有利子負債が、これまで最高だった1998年末を超え過去最高になったとのことです。
1998年末と言えば、前年にはロシア危機が勃発したうえに拓銀・三洋証券・山一證券が破たん、1998年秋には長銀が一時国有化、また米でドリームチームヘッジファンドのLTCMが破たんするなど、金融危機が急速に高まっていた時期です。

ちなみに、日本では資本金の額により企業規模が区別されます。
その規模により税制上の恩恵が決まるので、以前シャープが減資を行い資本金を1億円以下にしようとするなどのインセンティブが働くことがあります。

借金の使い道

有利子負債が増加している背景は記事にも載っていましたが、
M&A需要。
人手不足対策。
長期資金の前倒し調達。
などがあります。

まず
ソフトバンクによるARM買収に象徴されるように、国内だけでそれも自前の技術・ノウハウだけで成長することは相当に困難になっており、時間・技術・ノウハウ等をカネで買うニーズが高まっています。

次に
若年層を中心に労働人口に切迫感が急速に増す中、設備投資により解決する動きです。
製造業だけでなく、サービル業にも拡大しています。

最後にです。
昨年にマイナス金利が導入されたこともあり長期、超長期金利が極めて低水準のため、将来必要と考える資金を前倒しで調達する動きです。
現在調達している資金を前倒して長期化のうえ、借り換える動きもあります。
現時点で必要ではない為に、手元現預金も同時に積み上がり両建ての形になっています。

久しく企業による資金調達ニーズが低迷していると思われていたので意外感もあります。

中堅・中小企業は借金を減らしている

但し、ここまでは大企業でしたが中堅・中小企業の有利子負債は1995年をピークに減少し続けています。
中堅・中小企業には大企業ほどM&Aニーズが無いことに加え、海外進出できずにマーケットの縮小均衡の続く国内での商売にとどまるケースが多いこと、中小企業が借り入れる際の基準金利となる短期プライムレートが高止まりしていること、等々。

大企業による資金調達は、TIBORベース、金利スワップベースといった市場連動型が多いのですが、中小企業による資金調達は、金融機関が独自に設定する短プラベースがまだまだ多いようです。

借入ニーズが高まらなければ銀行による信用創造が低水準で、経済の拡大ペースも加速しないことから、日本の成長も望みにくくなります。
就業者ベースでは大企業以外に勤務する人が大多数なので、その大多数が勤務する企業の活動が活性化しなくては、消費も盛り上がりに欠けます。

大企業の有利子負債が過去最高を更新しても、中小企業の有利子負債が伸び悩んでいる間は、日本の成長も限定的で明るい未来は望めそうにありません…

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