有吉ゼミ家を買うで登場した物件一覧はこちら

豪ドル債利回りの変遷~AAA格付けなのに超高利回りだった

外債投資の魅力

みなさん、外債投資って考えたことありますか?

私は金利マーケットの世界に長くいたこともあり、当時から自身の資産形成に外債は不可欠と考えていました。
1990年代後半の外為法改正でそれまで銀行が独占していた外国為替取引、資産と負債のネッティングなど、いろいろと規制が緩和されました。

身近な例でいうとそれまで海外旅行に行く際の外貨両替は銀行で行っていましたが、街の質屋さんなどでも出来るようになりました。
今では一般的なFXも可能に。

私の外債投資経験

私が最初に海外資産を持ったのは海外株投信で1990年代。
バブル崩壊後の失われた10年と言われ日本が苦しんでいた頃。
まさにアジア危機やロシア危機、LTCMショックを経て日本でも金融危機が広まっていた頃です。

日本の将来に楽観的になれないなかでの投資先は、自然と海外資産に向かいました。
その後2000年代に入り外貨MMFを購入し、初めて外貨の金利系の資産を持ちました。

メインに買ったのは豪ドル

リスクオフとそれに伴う円高が一時的に進行した局面で、米ドルと豪ドルを買ったのです。
特に豪ドルはソブリン格付けがAAAにもかかわらず、その当時金利水準が非常に高かったので結構積極的にMMFを購入しました。
その後、利付債の売却益が非課税であると知り外国債券を購入するようになりました。

値上がりしても非課税って嬉しい

そして様々な年限のアンダーパーの豪ドル債を購入。
償還が近づき100円に値上がり、もしくは100円を超えて値上がりしている状態で売却していました。

AAA格付けなのに、利回りが高かった豪ドル

現在は債券の売却益も課税されるようになったので購入していませんが、その頃からの癖で某大手証券会社のHP上で表示している外債オファー内容を今でもExcelに記録しています。
2004年からです。
先日、当時の利回り水準を見て改めて驚愕しました。

OCR(オフィシャルキャッシュレート)が5.25%
残存2年弱の現地コーポレート銘柄(AA格だったかな?)が5.2%台
残存10年の地方財務公社債(AAA格)が5.5%台
残存20年超の某欧州系公的銀行債(当然AAA格)が6%超
などでした。

私は結構な銘柄を売買し(業務との兼ね合いで、コーポレートものは触っていません)、資産形成に結構貢献してくれました。

リーマンショック直前には残存1~2年のAAA格の債券利回りが7%超えでした。
尤も、OCRも7.25%だったので豪ドルMMF利回りも相当高かったのですが。
ここまで債券利回りが上昇するとアンダーパーになっている銘柄が多く、売却益の非課税のメリットがかなり大きく有利でした。

スポンサーリンク

豪ドル債の利回り推移

 

豪ドル債利回り推移

上記グラフの利回り頂点レベルはリーマンショック直前。
オレンジ色のOCRを除けば、ピンク色のプロットが2004年と現在の両方残存する唯一の銘柄。
リーマンショック時の世界的なリスクオフの動きで利回り急低下とその後の反動の急上昇など、結構忙しい動きです。

私が高利回りの債券購入後、リーマンショックでAUD/JPYが一時55円レベルまで下落したので、結構長い期間に相当の為替評価損を抱えることになりました(精神的に結構きつかった…)。
それでもMMFを含め利回りが高かったのでインカムゲインでなんとかなるかなと思っていたら、AUD/JPYは順調に回復してくれて良かったのですが。

55円レベルまで下落したのは911の頃以来…

リーマンショックの頃の乱高下の時代を通過すると、総じて利回りが低下していきます。
リーマンショックを経て世界的に低成長時代、金融緩和の結果の低金利時代になった現在は高利回り時と比較すると何とも悲しいレベルです。

しかしグラフの右端を見てください。
やや反転の兆しも見られます(気のせいかな?)。
もう下がるところまで下がったともいえますが、トランプ政権誕生で世界的に債券利回りの底打ち感がでているようです(ホントか?)。

利回り水準が回復すれば、再度豪ドル債を買うかも

債券売却益非課税扱いは無くなりましたが、長短スプレッド(長期金利と短期金利の利回り差)が拡大すれば債券投資も検討する価値があるかも!
但し例えば豪ドルは資源相場に大きく左右されますし、近年は中国景気に大きく依存するようになったので注意が必要です。
その他の通貨もそれぞれ値動きに特徴があるのでしっかり研究しましょう!

個別銘柄への投資は少しハードルが高いと感じたら、信託報酬がかかりますが外債投信も選択肢の一つ。
年限を指定できるファンドがあるかがわかりませんので、一般的にはシティグローバルインデックスなどに連動するものですかね。

投資は自己責任ですので、慎重に慎重を重ねて熟考してください!

2017年2月27日11時41分に確認したところ、
2004年と先週末にオファーされていた唯一の同一銘柄が売れてしまったようです。